ふしぎーく!

博物館のカエルが語る、民俗系よもやま話

襟足だけ異常に長い髪型の話

こんにちは、デンカです。

 

今回は髪型と俗信のお話です。

デンカが子どものころ、襟足だけ長い髪の男の子をたまに街で見かけることがありました。今はまったくと言っていいほど見なくなったんですけど、日本全国隈なく探すとまだいるんですかね?(ちなみにデンカは関東地方に生息してます)

あのころ見かけたこの髪型の男子は、ちょっとわんぱくな子が多かったような。たいていは幼稚園児か小学校低学年で、おそらく親の趣味なんだろうな~と漠然と思っていました。

で、それを思い出して母に言ったらこの言葉。

「親の趣味じゃなくて神様の趣味だよ」

……は? 何ソレ?

思わずツッコむ私。だってこの流れだと、「神様は襟足の髪を異常に伸ばした少年が好み♡」かと思うじゃないですか!

 

奇妙な髪型の謎を解く!

 

で、母にさらに質問すると、出てきたのが以下の答え。

 

「子どもってすっごく危なっかしいでしょ?」

デンカ「えーと、目を離すと道路に飛び出したり、池に落ちたり?(汗)」←子どもの頃いろいろやった経験アリ

「そうそう! でね、襟足が長いと、神様がそこを掴んで助けてくれるんだって」

デンカ「ほう? おもしろい!」

「……と、私の友達が言ってたのよ」

 

ちなみにこの母の友人とやらの出身も尋ねましたが、知らないとのこと。

で、自分なりにいろいろ調べてみたら、江戸時代の「芥子坊主」という髪型にぶちあたりました。

こんなやつ。

 

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これを芥子坊主(けしぼうず)といい、髪のところどころを伸ばします。前髪だったり耳の脇だったり、地域や親の趣味によって伸ばす場所はいろいろあるんですが、絶対に残すのが頭頂部。この部分を括って筆のようにします。で、子どもに何かあったらここを引っ張って神様が守ってくれるという……!

ちなみに、守ってくれるのは生後一か月くらいのときに参拝した神社(初宮参り)の氏神様だそうです。

 

芥子坊主と襟足だけ長い髪型は同じなのか?

 

なるほど、子どもの不思議な髪形は氏神様に守ってもらうためか……。

半分納得しかけたデンカでしたが、芥子坊主と襟足だけ伸ばす髪型は果たしてイコールなんでしょうか?

芥子坊主の謂れを知っている人が、襟足が長い子どもを見て勝手に言っているだけのような気もするんですよねぇ。

それに、襟足の長いわんぱく坊主のご両親は昔はヤンチャしてたんじゃないかな~みたいな方が多く(雰囲気から推し量るだけで、直接聞いたわけじゃありませんがw)、なんだか納得できません。

これが神社の子だったり、熱心な氏子さんの子だったらわかるんですけど。

 

では、芥子坊主とは派生が別と考えた場合、襟足だけ長い髪形はどこから来たのか?

気になって調べてみたら、「プロゴルファーのジャンボ尾崎の髪型をマネた」説と「プロレスラーの佐々木健介の髪型をマネた」説が出てきました。

それじゃあジャンボ尾崎と佐々木健介はなぜその髪型を? という話になるんですが、一説によるとジャンボ尾崎のほうは「日除け」なのだとか。帽子で頭は隠せてもうなじまでは隠せません。だから襟足を伸ばした、という考え方です。

佐々木健介は残念ながら不明でしたが、キャラ付けとか?w

つまり、襟足が長い子どもは親がジャンボ尾崎か佐々木健介のファン。ただし、全部がそうとは思えないので、単純に「かっこいい!」と思って子どもにマネをさせた、というのが現時点でのファイナルアンサーです。