ふしぎーく!

博物館のカエルが語る、民俗系よもやま話

実は日本と因縁が深い、ハワイにある禁断の島

ハワイと言えば常夏のリゾートアイランド。

コバルトブルーの海!

ヤシの葉影でウクレレ!

ロブスターにステーキに、ファーマーズマーケットで買ったフルーツもおいしい!

とにかく明るく楽しいイメージがありますが、あるとき地元のガイドの方に「それだけじゃないよ。禁断の島って知ってる?」と言われました。

 

……え、なにそれ?

 

忌まわしい歴史でもあるんですか? それとも宗教的理由から立ち入り禁止とか?

かなり思わせぶりな言い方が気になってくわしく聞いてみると、

 

  • 伝統的な生活を重んじる、純粋なハワイ人しか住んでいない島
  • 基本的に外部の人間の立ち入りは禁止
  • 代々の島の持ち主はスコットランド人

 

という、すごくおもしろい情報が!

 

禁断の島はこんなとこ!

 

「禁断の島って、なにそれ!?」

「いや、正しくはニイハウ島って言うんだけど……」

「ニイハウ? オアフとかマウイとか、ハワイ諸島の名前は全部知ってるつもりでいたんだけど」

「あ~、ガイドブックにも載ってない島だからね~」

 

すかさずその場で地図を広げ、ニイハウ島の位置を確認。 

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 (フリー素材「世界地図」さんのハワイ諸島の地図に島名を加筆)

 

 調べてみると、それは西の端の小さな島でした。

これはちょっと見逃すわ……。(ちなみに州都ホノルルがあるのがオアフ島)

具体的には、

 

  • 面積179㎢、一番高い山が標高390m、人口は250人。(ex.小豆島の面積は153㎢)
  • 住民は島の所有者であるロビンソン一族と彼らに仕える日系人、島の原住民。
  • 島の愛称は「Forbidden Island(禁断の島)」

 

ハワイ諸島の島ってそれぞれ愛称があって、オアフ島は“Gathering Place”(集いの島)、マウイ島は“Valley Isle”(渓谷の島)、カウアイ島は“Garden Island”(庭園の島)なんて呼ばれているのに、ニイハウだけ禁断の島って……。かっこよすぎw
 
ちなみに上から見るとこんな感じです。
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(パブリックドメイン)
 
赤茶けた大地が目立ちます。山が低いから雲が発生せず、雨が降らないのかな、と思ったらまさにそのとおりで、水不足で苦しむときも多いとか。
 

なんで島への出入りが禁止なの? その理由がめちゃくちゃ深かった

 

この島、ロビンソン一族の祖先がカメハメハ5世から島民つきで購入したもの。

で、何より気になるのが「関係者以外立ち入り禁止」ってことです。

なんで? ロビンソン一族が圧政でも強いてるの? それとも見られちゃいけないものでもあるの? 島には禍々しい何かが封印されてて、選ばれた勇者が来るまで開放不能?(←中二的発想)

 

いろいろ勘ぐっちゃいましたが、実はそれ、「伝染病予防のため」でした。絶海の孤島に長い間住んでいたハワイ諸島の人々は、伝染病に対する免疫がないんです。なので、私たちが軽症で済む病気でも、あっという間に命の危機に。

 

そこで思い出したのが、アメリカ大陸に住んでいたネイティブアメリカンの激減理由。人口減少の一番の理由はヨーロッパ人が意図せず巻き散らしてしまった病原菌のせい

現代でも、アマゾン川流域で生活する文明と接触したことのない人たち――イソラドが、伝染病に免疫がないせいで絶滅の危機に瀕しているし、彼らと接触している研究者たちは、10種類近くの注射をして病原菌をうつさないようにしています。

 

もちろん、このニイハウ島以外にもハワイ人は住んでいます。

でも、ロビンソン一族は「カメハメハ大王からこの島を買ったとき、島民のことを守ると誓ったから」と、今でもその約束を大切に守っているんだそうです。

 

島に禍々しい何かが隠されている……わけじゃなく、反対に島の外から来る禍々しい何か(病原菌)から逃げるために鎖国しちゃっていたんですね。なぁんだ、私のほうが禍々しい存在だったのかああああ‼ orz

 

ちなみに「どうしてもニイハウ島に行きたい!」という方。専門の旅行会社にお願いすれば、島に滞在3時間ツアー(ただし島民との接触不可)もあります。

 

おまけ。実は日本と因縁のあったニイハウ島

 

ニイハウ島についていろいろ調べていたら、さらにすごいことを発見してしまいました。

なんとこの島に、真珠湾攻撃の零戦が一機、エンジントラブルで不時着していたんです。

近代史で避けては通れぬ真珠湾攻撃ですが、そんな話、初めて聞きましたよ。

パイロットは島にいた日系アメリカ人に匿われましたが、島民によって奪われた拳銃や地図を取り戻そうとして戦い、最後は亡くなっています(匿ってくれた日系人も)。

 

というわけで、ハワイにある「禁断の島」は、意外にもおもしろい歴史満載の島でした。