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葛飾北斎ってどんな人? 3分でわかるざっくり北斎と、超おススメ! 北斎関連本7選!

こんにちは、デンカです。

 

ここ数年、北斎にハマった私は本を読んだりゆかりの土地を回ったりしてきました。この北斎という人、かなり逸話が多い人で、じっくり向き合うと大変面白いのですが、ここでは時間のない人向けにざっくりと説明したいと思います。 

 

葛飾北斎ってどんな人?(時間のない人向き)

 

☆葛飾北斎について☆

・1760年生まれ、1849年に88歳で没。(数えで90歳)

・生誕地は現在の東京都墨田区亀沢。

・改号すること30回。北斎という号もそのうちのひとつ。

・北斗七星を神格化した北辰妙見菩薩を信仰していた。(北斎という名もそこから)

・酒もたばこも嫌い。その代わり甘党。

・絵が描ければそれでよし! 掃除もしないし服装にもこだわらない。部屋が汚くなったら引っ越しする。

・引っ越しすること93回。ただし、転居先は浅草、本所、深川周辺に限られていた。

・2度結婚。子どもは合わせて6人。(5人という説も)

 長女(お美与) 北斎の門人と結婚するが離縁。間に生まれた男児が長じてのち様々なトラブルを起こし、北斎を悩ませる。

 三女(お栄) 絵師と結婚するが離縁。北斎の助手をしながら応為(おうい)と名乗り、自らも浮世絵を描く。

・北斎は武士や外国人とトラブルを起こしたり、滝沢馬琴と挿絵を巡って喧嘩したりもした。

・生涯に3万点あまりの作品を残した。代表作は富嶽三十六景。

 

……だいたいこんな感じでしょうか。^^

 

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上の写真は葛飾北斎生誕地の看板。壁際の高い位置にあるので、気が付かずにスルーしがち。というか、私もスルーしましたw

 

もっと北斎を知りたい! そんな人にオススメの本

 

さて、ではここからは時間がある人向けに書いていきます。

葛飾北斎って、本当にたくさんのエピソードを持ってるんです。だから、それについて書かれた本もたっくさん。目についたものを片っ端から読んでみたんですが、玉石混交というか、正直「買わなきゃよかった!」というのもありましてね……。

特に歴史系雑誌の特集なんかは要注意です! ネットに落ちてるようなことしか書いてない場合も……て、これはブーメラン発言だな。

なので、身銭を切ったデンカだからこそわかる、絶対損をしない葛飾北斎関係の本を挙げたいと思います。

 

【その1】葛飾北斎の逸話はたいていここから! 飯島虚心著『葛飾北斎伝』

引っ越し93回したとか、お栄とゴミ溜めみたいな家に住んでたとか、ほとんどのエピソードはこの本が元になっています。北斎のオモシロ話が知りたい人には必携の一冊です。

が、なにせ明治時代に出版された本なので現代人には読みにくい文体なんです。あと、1999年に文庫本で再販したのち、現在は絶版なので、場合によってはかなり高値がついています。(私も古本屋でどうにかゲット)

興味がある人は図書館をあたってみたほうがよろしいかと。

 

【その2】超オススメ! これさえあればとりあえずOK! 永田生慈著『もっと知りたい葛飾北斎 生涯と作品』 

この本に出会ったとき、「これこれ! こんなの欲しかったんだよ~!」と小躍りしました。ページを開くとまずは家系図や弟子筋がわかりやすく載っています。北斎個人を知る前に、その家族や周囲を大きく捉えてから、という配慮がうれしいです。

さらに進むと見開きの左ページ端には歴史年表がついていて、「西暦何年、何歳だった北斎が何をしたか」が一目でわかるようになっています。そして、それに対応する時代の作品が右ページや残りの部分に載っているという仕様。

年表付きの本もあるにはあるんですが、巻末に申し訳程度に載ってるだけとかでとにかく読みづらい。対してこちらは読みやすさ第一なので、ビギナーさんはこれを足掛かりにするのが一番だと思います。買って損はないと思いますよ!

      

【その3】漫画や小説で知りたいなら……。

ぶっちゃけ、私は娘のお栄や弟子の渓斎英泉(けいさいえいせん)が好きなので、その関連本ばかり読んでいました。なので、ちょっと北斎とは外れるのですが……。

 

・杉浦日向子『百日紅(さるすべり)』(漫画)

2015年にアニメ映画にもなった作品。主人公は北斎の娘、お栄ですが、原作には彼女が出てこない話や出てきてもチョイ役だったりするエピソードがちらほら。

浮世絵がどーの、女性の生き方がどーのというよりは、お栄たちの日常を、時に滑稽に、時に切なく描き上げています。日向子さんらしく、怪談チックなお話も多し。

 

・朝井まかて『眩(くらら)』(小説)

浮世絵がどーの、女性の生き方がどーの、という骨太な時代小説が読みたければこちら。これ書くのに参考文献たっくさん読んで勉強したんだろうなぁと感心してしまいました。

北斎を悩ませた孫が何をしでかしたのか、個人的に調べてもよくわからなかったのですが、ここでは朝井さんなりの解釈がされていておもしろい。渓斎英泉の扱いが『百日紅』と正反対なのも興味深かったです。

 

・山本昌代『応為坦坦録』(小説)

1983年、第20回文藝賞受賞作。絶版。古書店で探して購入しました。お栄と北斎のやりとりを中心に、軽やかな文体で書いた作品。飯島虚心の『葛飾北斎伝』をお栄側から見て小説にしたらこんな感じかと。

ただし、意地悪な言い方をすれば、『葛飾北斎伝』をそのまま小説にしただけなので、読みごたえは『眩』に負けています。

 

・キャサリン・ゴヴィエ『北斎と応為』(小説)

カナダの作家さんの作品。……すみません、これ、どう感想を言ったらいいのか。映画『ラストサムライ』を観たときの微妙に間違った日本観に耐えられる人向きというか。「吉原に売られた武士の妻が、かんざしを使った護身術を仲間に指南するシーン」とか、「花見している北斎たちと、そのそばを偶然通りかった老中が罵りあうシーン」とかあるんですよ。

でも書いた本人はいたって真面目で、『ニンジャ・スレイヤー(敢えて間違った日本観で書いたSFアクション小説)』みたいに狙ってやってるわけじゃないはず。また、突っ込みどころが多ければそれを楽しむという方法もあるのですが、そうでもないし……。とりあえず、こういうのもあるよ、ということで。

 

・皆川博子『みだら英泉』(小説) 

珍しく英泉が主役。妹が語り手として登場。北斎や豊国がいる中で、浮世絵師としてどう生きていくのか悩み、もがき、独自の女を描くに到る。同時代に天才がたくさんいると辛いよな~としみじみ思ってしまった作品。

 

他にもいろいろ読みましたが、とりあえずこのくらいで。興味がありましたらどうぞ~!