ふしぎーく!

博物館のカエルが語る、民俗系よもやま話

大ムカデの正体を探ってみた

こんにちは、デンカです。

 

子どものころ、神社でもらったお守りの中身が無性に気になったことってありませんか? 私は、ありますw

でも開けたらバチがあたりそうだし……。

当時の私は悩み、結局は昔話の登場人物のごとく、好奇心に負けて禁忌の扉を開いてしまったのでした。

ほら、アレですよアレ。機械好きな子は時計を分解したり、動物好きな子はトンボやカエルを解剖したりするじゃないですか。デンカの場合は相手が神様だったんですw

中から出てきたのは白い和紙に包まれた金色に輝く神像みたいなやつ。拍子抜けしたような、でもなんだか納得させられちゃったような、不思議な感覚に襲われたのを今でもよく覚えています。

 

そしてまた月日は巡り……

 

お守りを分解してから月日は流れ、クリスマスにはケーキを食らい、大みそかには除夜の鐘を聞き、正月には神社にお参りに行くという立派な大人(?)に育ったデンカは、小さな博物館に生息しておりました。

ある日そこに、ひとりのお客様がやって来たのです。お客様は開口一番こう言います。

 

 「実は、神様のことで相談が……」

 

――か、神様⁉

真っ先にデンカの頭に浮かんだのは「あたしゃあ神様だよ!」の志村けん。

あの、ここ博物館ですよ? 寺でも神社でも教会でもありませんよ?

しかし、何やらおもしろそうなのは確かです。ソッコーで食いつきました。

 

 ヒントをもらってさらに混乱! 

 

というわけで、くわしく話を伺うことになったのですが、さらに「!?」となるようなことが発生しました。

 

お客様「我が家には、先祖が倒した大ムカデの頭なるものが祀られてるんですよ」

デンカ「大ムカデの頭⁉」

お客様「ですが、そんなの現実にいるわけもないし、いったい何の頭かと……。あ、これです(写真ぴらっ)」

デンカ「‼‼」

 

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これはいったい何なのか!?

鋭く尖った口、見ようによってはひとつ目にも見える動物の骨……。江戸時代の見世物小屋で公開されてたような、「これ、絶対人が作ったやつでしょ!」的うさん臭さがまったくなく、かと言ってこんな妙な頭をした動物などすぐに思いつくはずもなく。お客様に「教えて!」と期待を込めた目で見つめられ、焦りました。

中学生のとき、理科の授業で馬の頭の骨を見せられた人も多いかと思いますが、あれとは明らかに違うんですよね。口先がくちばしのようで、とてもスマートなんです。ほんとわけがわからない!

 

ニュータイプの勘で問題解決⁉

 

ところが、そんなデンカの頭にピンと来るものがありました。

「こ、このプレッシャーは……そうだ、シャアあれに違いない!」

猛然と縄文コーナーにダッシュ。

見せてもらった写真は全体像でしたが、縄文コーナーにあったパネルは断面図。似てるような、似てないような……。おそらく、長いくちばしに無意識に共通点を見出したんでしょう。結果は大正解!

というわけで、わからない人にヒント。

 

  〔ヒント1〕縄文時代といえば、竪穴式住居と○○。(漢字2文字)この中からもこの動物の骨は見つかっています。

〔ヒント2〕知らない人はいない動物。かわいい。頭いい。けど、骨まで見たことある人はさすがにほとんどいないよね……。

 

というわけで、正解は「イルカの頭の骨」でした~!(ドンドンドンパフッパフッ☆)ちなみに、〔ヒント1〕の答えは「貝塚」。〔ヒント2〕の答えは「イルカ」。

 

 貝塚とは言うなればゴミ捨て場。もちろん、分別なんてエコな考えはない時代でしたので、生ごみも危険物も一緒。貝殻はもちろんのこと、魚の骨や動物の骨、矢じりに土器の欠片、場合によっては人骨も捨てられていました。(合掌)

ゴミの中にはイルカの骨ももちろんあります。自力で捕らえたのか、はたまた砂浜に座礁したのをお持ち帰りしたのかわかりませんが……。

縄文人に見せたら「それ、イルカの頭の骨じゃん!」と即答されるものでも、後世の人には謎の骨となり、神として崇められてしまう……。そんな、ちょっとおもしろい体験でした。