ふしぎーく!

博物館のカエルが語る、民俗系よもやま話

バンパイアハンターやゴーストバスターになれなかった、かつての中二病患者たちへ。

中二病だったら誰しも一度は憧れる、現実にはあり得ない職業たち。

たとえばそれはイケメン孤高のバンパイアハンターだったり、性格はアレだけど腕は確かなゴーストバスターだったりします。

夜な夜な墓場やゴーストタウンでこの世ならざるモノと対峙し、町娘たちからは「ちょっと近寄りがたいけどカッコいい……!」と潤んだ瞳で見つめられ、男たちからは「あいつはどうもいけすかねぇが、仕事ぶりだけは誰もマネできねぇ」と尊敬される。

でも本人は流れ者で、どんなに好意を寄せられても「悪いが馴れあいは嫌いなんでね」とか言って颯爽とマントをなびかせ荒野に消えていく。

 

……書きながらはるか昔に完治したはずの中二病がぶり返しそうになりました。いやぁ、中二病って本当にいいものですねぇ。(水野春郎ふう)

 

バンパイアハンターじゃないけど、それっぽい場所が舞台の仕事ならあるよ!

 

 さて、バンパイアハンターにもゴーストバスターにもなれなかったかつての中二病患者はどうすればいいのか?

文化財関係の仕事をして、古文書から出てきた紙魚を素手で捕まえる能力にある日いきなり目覚める(つまり私だ)、なんて暗い生き方もあるにはあるんですが。

できればもう少しファンタジックな仕事はないものか。

 

ええ、実はあるんです。

主な職場は墓場やゴーストタウン!(ただしアメリカ)

 

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いいですよね、西洋墓地。卒塔婆の刺さった日本の墓地よりオサレでかっこいい。

こういうところで「あいつが復活する? まさか……!」などと意味深につぶやけば気分はすっかり孤高のヒーローです。

でも悲しいかな、ここに数時間いても「あいつ」は復活するどころか自分が不審者として通報されかねないのでさっさと本題に移ることにします。

 

21世紀のハンターになろう!

 

さて、その仕事は何かというと、ある植物を探すことです。

その植物とはズバリバラ

そう、トゲが生えてて、少女漫画の背景にもよく使われているあれです。

 

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しかし、ただのバラではいけません。

 現代では忘れられてしまったバラ……found rose(ファウンドローズ)を探さなくてはいけないんです。

 

実はバラって登録されてるだけでも3万種以上(一説には20万種以上)もあって、おまけに毎年新品種が発表されています。

つまり、古い品種はあっという間に生産を終えて記憶のかなたに忘れさられてしまうんです。

ですが、開拓時代からある古い街の墓地や、人に打ち捨てられたゴーストタウンには、名前すら忘れられたはるか昔のバラが未だに生き残っていることが!

 

それはなぜか?

キリスト教系の墓地って故人が好きだった花を植えたりしますよね。

あと、ゴーストタウンはかつて栄えた鉱山や昔よく使われた街道筋にあったりします。めちゃくちゃ繁栄していた時代はお金もふんだんにあったので、住民たちは故郷のヨーロッパに「バラの苗を送ってよ!」と依頼して爆買い。そして当のヨーロッパではどんどん新品種が出るので、古い品種は忘れられる(場合によっては廃棄される)ことになるんです。

それが、アメリカで古い品種のバラが再発見される理由です。

 

ファウンドローズを見つけたら?

 

ではもし、古い街の墓場やゴーストタウンでファウンドローズらしきものを見つけたら?

どの品種にも該当しない、本当のファウンドローズと判明したら、仮の名前をつけてあげます。(大抵見つけた場所の名前がつけられるので、「××墓地のバラ」「〇〇通りのバラ」なんてのも)

それらを増やして、バラの愛好家に売るんです。

 

なんか夢があるよなぁ……。

と言っても、やっぱりそれだけで食べてくのは厳しくて、別の仕事をしつつ休日だけローズハンターをする、なんて人がほとんどだそうですが。

 

バンパイアハンターにはなれなくても、休日限定ローズハンターくらいは可能と思うのですが、いかがでしょう?

自分がアメリカ在住だったら、やってみたいことのひとつですw